新組織体制、人事異動、新入社員受入など「社会人」の様々な動きが活発になる時期が来ました。
今回は新しく部下や後輩ができる人、また現在も部下がいるがもう一度、自分のマネジメントを見直してみようかなと思っている人向けのコラムです。

■プレーイング・マネージャー

今、マネージャーと言われるポジションの方は、ほとんどがプレーイング・マネージャーではないでしょうか。
マネジメントの仕事だけでなく、プレーヤーとしてもノルマが課さられている状態です。
そのため、自分が達成するべき数字があれば、そちらが優先されますよね。
未達で評価が下がるのは避けたいのが本音。
逆に部下がどれだけ成長したかを測る指数ははっきりしていないため、育成への評価は曖昧という現実があります。
そうなるとマネージャーとしての育成への配分は、後回しになりがち。
でも会社としては、若手が戦力になってくれないと、業績低下の原因にもなってしまう危険性が高くなります。
特に、なかなか直接指導しづらいテレワーク推奨の環境下に置かれている状況で、マネジメントが手薄になると、成績の低下、チームワークの低下、もしくは離職へとつながってしまいます。
部下の育成やプロジェクトの進捗管理、優れたチームワークは、マネジメント力に負うところが大きい領域です。
しかし、マネージャーが実際にマネジメントする際、どのように部下とコミュニケーションを交わすかという壁に突き当たり、停滞してしまうケースも出てきます。
会社側も、積極的にマネジメント研修を取り入れて、中堅社員へのレベルアップを図っていると思いますが、部下とどのようにコミュニケーションを取るかという教育にスポットを当てているものは多くなく、できて当然と思われています。
コーチングという言葉が使われ始めてだいぶたちますが、まさに今は、よりコミュニケーションを交わす能力、育てる能力が求められています。
そのためには、部下と関り、コミュニケーションを交わすこと。長々と会話することを求めるのではなく、数分の短い時間で成果を上げていく、あなたと部下の双方に負担なく効果的に育成に結びつく方法を考えてみましょう。

■人は計画通りに動かない?!

会社が抱える課題を改善するため、システム導入や仕組み改善、風土改革、社員研修が提案され、実行されます。どれも計画段階では、期待が寄せられますね。
でも実際に実行されると、結果が思ったように出るわけではありません。たしかに新しい試みは大切です。
しかし、それらを実行し、実現するのは、人なのです。そして人は、計画した通りに動くわけではありません。
社員も人ですから、それぞれが持つ感情や欲求が仕事に影響します。でも計画段階では、その点は排除されてしまう。
それでも計画通りに遂行しようとするなら、業務に関する知識以上に、人に対する知識が必要となります。
自発的に、喜んで、仕事に取り組んでいくようになるためには、社員全般や部下一般ではなく、ひとりひとりの部下についての知識と知恵が求められていると思います。

■日々、行うこと

マネージャーは、会社の計画を実行する要です。
活動はチームで行うことがほとんどなので、当然ですね。
しかし、会社によっては、先ほども述べたように、マネージャーが何をして、責任範囲はどこまでなのかという認識が、部下と共有されていないこともあります。ここではマネジメントに必要な事項をまとめてみたいと思います。

①スケジュール管理
 スケジュール・プランを作成し、部下の作業進捗を確認する。また部下が仕事に集中できるように環境を整えることも必要。 
②実行計画の策定
 部下の役割分担および仕事の優先順位を決める。実行可能な状態にする。 
③リスク管理
 報連相の徹底。また、起こりえるリスクを想定しながら、できるだけ早い段階で手を打ち、対応する。 
④判断
 必要な決定を行う。自分で決められない場合は、決定権者へ依頼する。 
⑤育成
 長期的な仕事を考慮して、必要なスキルを提示し、身に付けることを勧める。また習得度を評価するのもありです。

 以上が主な要素ですが、実際には、ほかにもいろいろな役割があるでしょう。採用に関わるみなさんは、多少なりともコーチングに関して勉強したり、知識を持たれている方もいらっしゃるでしょう。
ではそれが実践の場で、十分に生かされているかというと、今一つというのが現実ではないでしょうか。
ただでさえ忙しい、自分の日々の業務もこなしながら、部下と関り、部下を有能にしていくかという責務を果たすことができるのか? 
今回は、ここまでです。次回は、より具体的な方法をご提案していきます。