みなさんが学んだことの中で記憶に残っていることや役に立っていること、今現在も通用していること=仕事力についての第3弾「デスクワーク技術」編の最終回です。

■プロジェクト管理「課題管理表」

プロジェクト管理の基礎を学んでおくと、将来にわたって応用が利きます。
プロジェクト管理というのは、チームで仕事をやるときに、進捗状況や課題を管理したり、意思決定をするというもの。
メンバーが多くなればなるほど、こういうことをきちんと管理して、スムーズに物事を進めていくことが求められます。
プロジェクト管理の技術は多岐にわたるため、ここでは簡単にできて、役に立つ「課題管理表」を取り上げます。
これはエクセルにプロジェクト進行上の課題をリストアップして関係者が進捗や状況を確認しあう表のことを言います。
課題管理表が使える分野は、複数の関係者がいろいろな作業を行い、最終的にひとつのものを作るというタイプのプロジェクトです。
例えば、課題管理表を利用してプロジェクトを進めた事例として、採用サイトのリニューアルの例を挙げます。
リニューアルのやり取りを進めていくと、些細なことから大きなことまで、たくさんの課題が出てきます。
「オフィス写真が暗い」「インタビュー内容がそぐわない」「ブラウザによってレイアウトが崩れる」「エントリー項目が多すぎる」といった具合に、あらゆる検討事項が出てくるものです。
これがメールや電話でやり取りしているだけですと、関係者間での状況把握が困難となります。
採用担当者はもちろん、WEBデザイナー、ディレクター、社内のシステム関係者などそれぞれがバラバラに進捗や成果物の連絡がきたりすると、どこを修正して、何が決まって、何が検討中なのか、さっぱりわからなくなってしまいます。
このように複数の関係者が、各自別々の場所で作業しているような場合は、状況をきちんと整理しておかないと、認識がずれて、できているはずのものができていなかったり、違う方向に進んでいたりと、混とんとなりがちです。
そこで課題管理表なのです。
これを使って課題を整理しながら、関係者の認識を一致させます。具体的には、次のようなものが最低限、課題管理表に記載する項目となります。

※以下は横の項目(縦に番号と課題)
・番号、日付
・タイトル
・課題の内容
・解決の方向性
・ステータス
・担当・期限

これを役に立つようなものにするには、3つの重要な点があります。
①担当者を決める
 誰がやるのかを必ず決めてください 
②期限
 いつまでに終わらせるのか? 
③方向性
 その課題を解決するために、どう取り組むのか? 

次に記述のコツとしては、あいまいな部分を残さないこと。
「頑張る」「善処する」とかはNG。
実際に目に見える形での達成の姿が浮かぶような目標設定が大事になりますね。そのためには、「数字を使う」「成果物のレベルを明示する」ことです。
またこの表をアップデートして管理するのが、「進捗ミーティング」です。

・新しい課題があれば追加 
・課題が複雑化していれば、細かく分けるなどの調整 
・担当者と期限を決める 
・解決の方向性、アウトラインを決める 

表が全部埋まったら、ミーティング終了です。議事録も不要ですね。
あとはそれぞれの担当者が自分の仕事を進めるだけ。
そして、翌週に、また確認しあえばよいのです。
課題管理表は、課題を共有して、役割を決め、期限を切って進めていく、もっとも簡単なプロジェクト管理ツールです。

「デスクワーク技術」編を合計7回にわたり、お届けしました。
お読みいただいた皆様、ありがとうございました。
次回は第4弾「プロフェッショナル・ビジネスマインド」編がスタートいたします。