みなさんが学んだことの中で記憶に残っていることや役に立っていること、今現在も通用していること=仕事力についての第3弾「デスクワーク技術」編の続きです。
■仕事の速さを倍速にする重点思考
会社の中でも、とにかく仕事が速い人とそうではない人がいらっしゃいます。
早い人の方がそうでない人に比べると、優秀で頭の回転が速いからそれが可能になっているというわけではありません。
そのスピードの差は、「余計なことをやらない」ことにつきます。
もっとも大事だと思うことのみをフォーカスして、それ以外は、大した影響がないから取り上げないと割り切るのです。
こういう考え方を「重点思考」とか「20対80の法則」とも言います。
「売上の80%は20%の顧客がもたらしている」
「組織のパフォーマンスはトップ20%の人の働きによるところが大きい」
といった話です。
つまりその80%という大多数を決める20%の要素にだけ注目して仕事をしましょうということです。
20%だけを検討すればよいのなら、スピードは5倍になります。
もしくは、同じ時間をかけるとすれば、20%の重要な部分を5倍の密度で深く掘り下げることができます。
ですから早めに重要な部分を見極めて残りは切り捨てる。
そして重要な部分は深く追及するやり方ですね。なおこの反対が総花的なやり方です。
フォーカスせずに細部にこだわろうとすると到底時間内に検討できません。
時間切れになってアウトプットもゼロという事態になりかねません。
ただ多くの人は、この切り捨てることが苦手です。
なぜならば次の2点ができないからです。
①切り捨てることに罪悪感がある
切り捨てることが邪道だという表現をされることがあり、あまり良い印象を持たれてしまう。でも「必要でないことはやらなくていい」という共通認識が必要かもしれません。
②何が重要で何が些末なことかの判断がつかない
どうしたらそうなるのかというと、自分の頭で考えておらず、適切な問題設定ができていないからです。
大事なのは、何が重要で何が些末なことなのかを自問自答することです。
それがわからないから、全部やっておこう、全部読んでおこうということになってしまいます。
何が大事なのか、何が一番インパクトがあることなのかを早めに見極めて、残りは切り捨ててみる。すぐに身につくことではありませんが、トライしてみる価値はあると思います。
今回は、ここまでです。「デスクワーク技術」編はボリュームがありますので、数回に分けてお届けしていきたいと思います。
次回は、プロジェクト管理について、お話させて頂きます。