みなさんが学んだことの中で記憶に残っていることや役に立っていること、今現在も通用していること=仕事力についての第3弾「デスクワーク技術」編の続きです。

■パワポ資料作成

採用活動だけでなく社内の打合せでも営業活動でも、社外の方からご提案を受ける際も、常にパワーポイントはついて回っています。
私自身も本当に多くのパワポ資料を作成してきました。
たくさんのことを1枚に詰め込むパターン、やたら動作設定を盛り込むパターンなど凝ったパワポ資料に没頭した時期もありました。
でも相手へ伝わる資料としては、シンプルなのが一番です。
そしてそのシンプルな資料を作るコツもまたシンプルです。
それは「ワンスライド・ワンメッセージ」の原則です。
要は、1枚のスライドに多くのものを詰め過ぎないということ。
ワンスライドでは、ワンメッセージ。
重要なことは、言うことをひとつに絞ることです。でもこれがやってみると実に難しいです。ついサービス精神を発揮して多くの図解やグラフを1枚のスライドの中に3つも4つも盛り込んでしまいがちです。
かつ太字や赤字での協調、吹き出しでのコメント・・・。収まりがよくカッコよくもなりますがほとんど自己満足の世界です。
これ相手からすると情報が多すぎてどのように解釈していいのか、何が一番大事なのか、わからない状態になってしまう。
また一つのグラフに関しても、こういうことも言えるし、ああいうことも言える、いろんな言えることが、たくさんの結論が書いてあるパワポも見かけますがが、結局何が言いたいのかわかりません。
相手が知りたいのは、そのグラフをどう読み解くのかというあなたの解釈です。「要するに何が言いたいの?何が言えるの?」ということです。
ワンスライド・ワンメッセージでは、基本はグラフや表が一つ。そしてそのグラフから読み取れる解釈・主張をひとつだけ提示します。
これが基本的な構成です。
「①根拠となる数字や事実+②自分の解釈や主張」をセットにして提示します。1枚のスライドにつき、ワンセットのみ。
こうして1枚1枚をシンプルにして、それを組み合わせて「流れ」にして見せます。もし複数のことを言いたければスライドを分割する。2枚3枚にします。
全体の枚数は増えますが、そちらのほうがわかりやすい。
この構成のパワポ資料のメリットをまとめてみましょう。
①わかりやすい
 根拠+意見がセットになっているので論旨も明確。言いたいことが絞れる
②聞き手にとっても楽
 1枚のスライドにつき、1つのことだけを明確にするように努めればいいので聞き手の負担が少ない
③飛ばすのも簡単
 プレゼン中に相手の理解に応じて途中を飛ばしたりするのも、1枚単位なので容易
④再利用が簡単
 1枚単位の構成なので差替えも楽です。構成変更でも並び替えや取捨選択が容易です。

【資料の基本構成】
1.根拠部分
基本的には客観的なデータを示します。
統計だったり、アンケート結果だったり。誰もが納得できるデータを使うのが一番説得力があります。
データは、主張に合わせて加工します。グラフや表にするのが一般的で、主張に関連する部分がわかるように強調したり、色を工夫して見やすくします。
また統計・アンケート結果というもの以外でも、主張したい内容の根拠になればよいので「ヒアリングのコメント」「引用」「図解」「現場写真」といったものでもOK。
一つの主張につながるのであれば1枚のスライドの中に根拠となるグラフを並べて2ついんようしてもかまいませんが、2つまで。
それ以上は見づらくなるだけです。

2.解釈・主張部分
グラフや表から、何をどう読み取り、何を主張するかを明確に書きます。 
根拠と解釈・主張はセットです。
1対1で対応していることが大切です。
たまにグラフや表をたくさん貼って、そこから何を読み取るべきかを示されていないスライドがありますが、相手はどう理解してよいのかわかりません。

3.タイトル
あまり重要ではありません。見出し程度のものを付けておけば十分です。

4.出所
信頼性のある資料とするためには出所は必須です。自社データの場合も同様です。
 例)出所:〇〇省統計
   出所:「求人広告の掲載件数の推移・・・」〇〇協会発表資料
   出所:求人サイトの検索結果をもとに当社分析

今回は、ここまでです。「デスクワーク技術」編はボリュームがありますので、数回に分けてお届けしていきたいと思います。
次回は、資料作成の効率化について、お話させて頂きます。