先週の-話す技術(前編)-では、「結論から話す」という内容でした。
今週は、その後編をお届けしていきます。
■端的に話す
変な駆け引きをせず、言い訳をせず、言われたことにきちんとストレートに答えること。相手の信頼を得るために非常に大事なこととして、常に心掛けていきたいポイントですね。
★言い訳はいい。質問には「はい・いいえ」で率直に答える
上司に「あの調べ物できた?」と質問されたとしましょう。
だいたいこういう質問が来るときは作業が遅れ気味か、うまくいっていないときと決まっています。
すでにできていたら、もう報告済みですから。そういうときにこういう質問を投げられると、びくびくしてしまうもの。
ついつい言い訳から入ってしまいがちです。でも上司が知りたいのは、単に、できたか、できていないのかという事実です。
そして、もしできていなかったら、どうしてできていないのかという原因。それだけです。
言い訳なんか聞きたくありませんし、できていないのならしかたない、できる方法を考えるだけです。
だからこういう時は「まだできていません」とか「1件の参考情報だけ見つかりました」と端的に答えるべきです。
駆け引き抜きに、素直に、簡素に、端的に話す。質問にストレートに答えると、自然とコミュニケーションが図れて、問題の所在が分かります。
相手は、その先の「なぜ?」や「どうして?」を聞いてくるからです。この相手の「なぜ?どうして?」に応えていくことによって自然とコミュニケーションが図られて、問題の所在が分かるのです。
これは生産的な話になります。上司やクライアントにも必要なことなら、言いにくいこともストレートに言わなければならない。
ストレートに話をすると、空気が読めないと言われることもありますが、それでもストレートに話した方が結局は信頼を得ることができます。
仕事の場面では、お互いが協力して1プラス1が3になるような結果を出す人の方がやはり評価されます。
同じ利益を追求する者同士ですから、端的にものを言い、駆け引きをしない方がうまくいくものです。
■数字というファクトで語る
ファクトとは事実のこと。
自分の経験談や気の利いた言葉ではなく、動かしようのない事実を指します。
事実の最たるものは「数字」です。
この数字でものを言うのが一番効果的です。たとえば社内で非効率だったり理不尽だったり、無駄だと思えることがあってそれを改善したいと思っているとしましょう。
そういう時に「〇〇は非効率だと思います。変えるべきです」という言い方をしても人には伝わりません。
相手の危機感を煽ろうとしても逆効果。若手であればあるほど、事実を拾ってこないといけないのです。
意見に封殺されることはあっても事実は封殺しようがありません。「〇〇がおかしい」と思ったらまず事実を集めましょう。
集めるときは、Webサイトや新聞に載っていない、あなたが数えなければ決して数えることができないデータこそが有効です(〇〇のようです、では納得しない!)。
全員が納得のいくベーシックなルールや基準を掲げて、論理(ロジック)と数字でコミュニケーションすることを心がけましょう。
■感情よりも論理を優先させる
相手に理解してもらえるように話すことも重要です。
まず論理を組み立てますが、その際は「相手は何も知らない」という前提で考えること。自分では常識と思っていることでも、相手は何も知らないという前提でゼロから話すべきです。
「無言は理解」ではなく、「無言は無理解」のサインなのです。相手のしぐさを観察して、理解度を察知。理解していないシグナルには・・・
□こちらが資料をめくって次に進んだのにまだ前の資料を見ている
□こちらを見ずに隣の人の顔を見ている
□「だいたいわかりました」「およそわかりました」等の曖昧な返事をする
などのしぐさは、無理解のサインです。
その場合、相手の言葉、考え方、伝え方の癖を研究し、それに合わせて伝える工夫や文章などは、相手の用いるフォーマットに合わせて作成してみるのも良い方法と考えられます。
■相手の期待値を把握する
「話す技術」と少し趣旨は異なりますが、ビジネスをするうえで一番大事なものは何だと思いますか?
それは「相手の期待を超え続けること」です。
まずは、相手が何を期待しているのかを正確に把握する。
相手が期待する中身がわかったら、それを絶対に外さない。
そして期待以上の成果を出す。常に出し続ける。期待値を満たせないものは安請け合いしない。
ときには、相手の期待値を下げる期待値のマネジメントも必要ですね。
「話す技術」はテクニカルなことなので身に付けていただければ、仕事力はワンランク上がると思います。
そして成果を出すことで、より期待されるビジネスマンへステップアップしていきましょう。
ここまで、お読みいただきありがとうございました。
次回は学ぶ仕事力〈その2〉-思考術-です。よろしくお願いいたします。