採用の難しいところは、最終的に応募者からの信頼を得られなければ、入社に至らないというところです。入社して活躍してほしい熱意だけでなく、具体的な数値を交えて自社の状況を伝えることができると、応募者の理解度も増し、信頼を得やすくなり、入社を後押ししてくれる要因にもなりえます。
では、どのようなカテゴリで自社の魅力を伝えていければ良いのか。自社の状況やルールによって開示OK・NGはあるものの、広く考えていきたいと思います。

自社の規模を伝える数字

まずは、自社の規模を表す数ですね。例えば在籍人数は、事業規模や雇用できる体力を示すことに使えますし、逆に少数精鋭でやってきたことを示すことにも使える数字です。
どんな企業規模であっても、今までの企業の歩みや背景、その考え方など、なぜ今その企業規模であるのかを説明できるようにしておきましょう。
その他、グループ会社を連結した際の在籍人数、グループ会社国内・海外のそれぞれの数なども把握しておきましょう。

働きやすさを伝える数字

次は、福利厚生などの数です。有給取得の状況や平均残業時間など、面接時に頻繁に出る質問ですから、あらためて最新状況を把握しておきましょう。
また離職率だけでなく、5年以上勤続している社員の割合、各世代の社員割合、転職者の社員割合など説明できるとよいと思います。
もちろんすべての情報を提示する必要はないのですが、把握することで、自社としてPRしたほうが良い数値が見えてくる可能性があります。一度、確認してみましょう。

給与についての数字

これは、応募者が1番気にしている数字です。給与については、求人募集情報などで記載の年代別平均年収がベースになるかと思います。
また、ポイントになるのは、入社後の成果・実績でどのようなステップアップが可能かということ。
例えば、その年の年収アップ率〇〇〇%以上が何人いるとか、ボーナス〇〇〇万円以上出てる人が何人いるとか、こんな数字を達成するとインセンティブがどれくらい出るなど、自身の成果に応じてどれくらい還元が発生するかを伝えること。
もちろん会社業績との連動がありますから、必ずしも本人だけの数字で約束されるものではありませんが、活躍次第での期待値を高めることは、内定承諾の後押しになる可能性は高いでしょう。

会社成長を伝える数字

最後は、会社のこれからの数字です。自社が掲げる中長期戦略の提示も必要に応じて説明できるよう準備しておくとよいでしょう。
経営戦略や営業戦略など自社が掲げている中長期の戦略で、どのような成長プロセスを描いているのか、可能な範囲で説明できると自身の成長にも投影でき、入社意欲の向上にもつながりますね。

さいごに 今回、上げた数字以外にも、みなさんの会社ならではの数字や他社と差別化できる数字があると思います。
採用に関わるメンバーで「応募者が知りたいことは?」「自社がアピールできるポイントは?」などをディスカッションして頂けると幸いです。
そこから得られた数字情報は、応募者だけでなく紹介会社や求人媒体会社などへ自社の魅力を伝えるときに有効活用できるはずです。
みなさんの会社が正しく理解されるために、これらの数字は良い武器として活躍してくれることでしょう。