今回は、採用KPIについてのお話です。みなさんご存知の通り、採用には目標が明確にあります。
「今期中に中途採用で営業職20名採用する」「2022年度の新卒採用は100名目標」など、会社からの採用目標=KGIは、達成しなければならない大きなミッションですね。
そして、その目標達成に向けたプロセスでの達成度を把握し、評価するための「中間目標」として非常に有効なのがKPIです。

注1)KGI(Key Goal Indicator):「最終目標、ゴール」
注2)KPI(Key Performance Indicators):組織の達成目標(採用人数など)に対して、目標達成度合いを評価する評価指標 

KPIを適切に設定することで、目標達成までのルートが明確になり、チーム内の方向性が統一されます。また数値計測を可能にすることで、「現状の把握」「振り返り」「再現性の実現」が、より容易になるのです。
採用活動において、さまざまな課題があると思いますが、全ての課題に対して追いかけることは難しいですよね。
しかしながらKPIを設定していないと、あらゆる課題に対しての解決を目指すことになります。これでは、達成しても効果のあまりないものにまで力を注ぐことになってしまい、とても非効率です。
そこで、「この指標さえ達成すれば、最終目標も達成される」と考えられる指標、つまりKPIを設定することが重要なのです。

課題の数値化とKPIの設定

KPIを設定するにあたり、採用実績および課題の把握が必要となります。
例えば前年度の
①採用コスト(求人媒体、人材紹介会社ほか)
②採用人数実績
③主な採用ポジション
④利用した募集チャネル
などですね。
それらの項目から、課題を確認し、次の採用活動へ向けての方針を決定していかなければなりません。これは新卒採用でも中途採用でも同様です。
「採用コストを〇〇%削減する」という方針が決定した場合、採用目標人数が減るのであれば改善幅は小さくて済むかもしれませんが、人数に変更がない、または増加などの場合は、大幅な見直しが必要です。
「人材紹介経由の応募者&入社者数の引き下げ」を検討し、「有効な求人媒体の取捨選択や媒体経由の応募者&入社者数を増やす」こと、「自社採用サイトからの応募者&入社者数を増やす」ことなどを具体的に取り組んでいかなければなりません。

具体的な見直し手順は以下のようになります。
□求人媒体を見直す
 1.媒体の選定を見直す
  ・過去の事例やデータをもとに、掲載媒体を再設定する
  ・出稿のタイミングを調整
 2.広告の内容を見直す
  ・求める層への訴求を意識して、内容を再構成する
□自社採用サイトを見直す
 1.自社採用サイトのコンテンツを再検討
  ・サイト構成
  ・社員紹介を見直す
  ・求人媒体との内容を連携する
□人材紹介会社を見直す
 1.紹介者数や決定率などを考慮した紹介会社の選定
  ・紹介会社担当者への再ヒアリング
  ・他社実績などの事例確認
 2.媒体では難しい職種の推薦を増やしてもらうための働きかけ
 3.クロージングへの協力を依頼
以上のような事項を見直したうえで、観測すべき数値としてのKPIは、
「チャネル毎の応募者数〇〇名、入社者数〇〇名」
「掲載当たりの応募者数〇〇名」などを決定していきましょう。
また中途採用では、応募から内定承諾までのリードタイムも、よく課題に上がります。リードタイムを短縮するにはどうするのか。
 ・面接の回数を減らす
 ・来社回数を減らす
 ・応募書類や評価書類をペーパレスにする
 ・自社側での選考保留をなくす
 ・応募者側へ早期決断を促す
などが考えられます。それらから具体的な改善の方向性が固まり、「採用リードタイムを〇〇日に短縮する」という方針決定するのも良いと思います。
KPIの設定はKGIによっても変わってきます。
次回は、違うKPIの設定についてお話しできればと思います。
次回、採用KPIを設定しよう!(パート2)へ続く・・・。