新人が入社してから5ヶ月が経過しました。普段ならほとんどの会社で新人研修が終わり、各配属先で活躍し始めている時期かと思います。でも今年はコロナ禍の影響で「新入社員教育ができない」というお話を何度も聞きました。
・テレワークで社会人常識を教えられるか?
・テレワークでどうやって叱れる?
・テレワークで信頼関係がどう築く?
・テレワークでOJTできる?
という、根本的なことでテレワークでは非常に難しいですよね。

◆新人は放っておいても仕事ができるようにはならない

新人といえども会社の戦力であると同時に、コストはかかります。学生意識のままでは仕事など論外です。
社会で働くには、社会人としての人との関わり方・ビジネスマナー・商品知識・ツールの使い方など、最低限の知識習得が必要になります。
仕事を任せるにしても「お願いした事にミス多発」「やり直しが二度手間」という状況だと、結局時間がかかり、任せる側にデメリットしか生みません。仕事の基礎知識はもちろんですが、仕事を受けるときの理解度や質疑応答方法なども把握しておくことも必要となります。

また数年働いていると、その会社ならではの思考や用語があることを忘れてしまいがちですが、新人はその文化が全くわかりません。
職場の意思疎通をスムーズにするためは、社内用語やどの仕事をするときに何を使うのかだけでなく、社内の誰がどの役割を担っているのか、どの仕事を誰に依頼するのかといった独自ルールを理解する必要もあります。
最終的には自身が社内でどんな役割を担うのかを理解できれば、会社にとって大きな戦力になります。

◆コロナ禍の新入社員教育

では、新人が会社に馴染むにはどう学習すればいいのでしょうか。
①指導学習
社内研修で社会人としてのマナーや仕事そのものの知識、または専門用語などを教わり、OJT等では先輩社員から直接指導を受けて学ぶ方法です。
②経験学習
実際の仕事を経験することで学んでいく方法です。失敗しても学べることはたくさんあります。
③観察学習
仕事をしている周りの社員や上司の姿を見て学ぶ方法です。

ではコロナ禍で新人が会社に馴染むための学習プロセスはどう変化していくでしょうか?
①指導学習
既存の研修をオンライン化させていく必要があります。しかし、テレワークでは指導社員からのアドバイスがもらいにくいのも事実です。
新人の働きぶりが見えにくいし、間違った行動も成果を見るまで気づけません。関係する社員や上司は、今まで以上にコミュニケーションを意識したほうがいいでしょう。
②経験学習
様々なオンライン会議に同席したり、マニュアルに沿って書類を作成するなど、テレワークでできる仕事は新人も経験していくことが必要です。
また、新人が積極的に参加できる環境を作るには、事前確認をマニュアル化しておくことや、依頼事項を適宜報告する仕組みづくりが必要です。
但し、テレワークに順応できていない上司や回りの社員が、的確な指導ができないことは十分に考えられます。仕事のプロセスを理解している先輩社員と、テレワーク環境にアレルギーがない新人のIT知識をうまく活用することで、テレワーク学習が進むかもしれません。
③観察学習
これは難しいです。テレワークでは上司や回りの社員を見ながら学ぶことはできません。観察学習で得られるのは、組織文化の知識です。言語化できない部分をどう学び取っていけばいいのか、これからの課題ですね。

今後もテレワーク環境が中心で働いていくことが求められる中、新人を受け入れていくには改めて教育環境を見直していく必要性があります。
様々なオンライン研修も出ていますし、様々な取り組みをされている企業の紹介記事などを目にすることも増えてきました。
はっきりと「新卒採用」ではなく「中途採用」にシフトして、テレワーク下でも力を発揮する中堅社員を積極採用する企業も出てきています。
正解は一つではないので、これからも試行錯誤は続くことでしょう。こちらも、みなさんの参考になる取り組みがありましたら、逐次紹介させて頂きます。