帝国データバンク(東京都港区)は3月18日、企業の将来を担う「リーダー人材」(管理職相当以上)の不足を感じている企業が7割近くに上るとの調査結果を公表しました。背景には、育成に割ける時間の不足やリーダー候補となる人材の絶対数の不足、さらに若手を中心とした「管理職になりたくない」という意識の広がりがあるとのことです。
■リーダー不足の背景に「育成の時間不足」と「人材の絶対数不足」
調査によると「リーダー人材の不足を感じている」と回答した企業は67.8%に上り、「感じていない」(21.1%)を大きく上回りました。

企業からは、プレイングマネジャーの常態化により育成時間の確保が難しくなっていることや、過去の採用抑制によってリーダー候補となる人材の母数自体が減少していることが、課題として挙げられました。
人員が少ないと、優秀な人材はリーダーになる前に実務能力が高くなりすぎてしまい、管理職になっても現場を離れられず、次のリーダー育成まで手が回らない(機械工具卸売・三重県)
現リーダー層もプレイングマネジャーで、中途採用者や部下の育成・勤怠管理などに追われ、ノウハウを蓄積する余裕がない(調味料製造・愛媛県)
過去に採用を抑制した影響で、育成以前にリーダー人材が不足しているのが最も深刻な問題」(石油化学製品製造・東京都)
■若手の7割が「管理職拒否」 意欲喚起が最大の課題に
リーダー人材を育成する際の課題として、「リーダー職への意欲の向上」が59.8%と最も多く挙げられました。次いで「リーダーシップの発揮」(50.4%)、「部下を育てる力の不足」(49.4%)が続いています。単に能力ではなく、組織全体の力を高める観点での課題が浮き彫りとなりましたね。

日本能率協会マネジメントセンターが2023年4月に実施した調査でも、労働者のうち約8割が「管理職になりたくない」と回答しており、意欲の醸成が喫緊の課題であることがうかがえます。以下のリンクより参照できます。
https://www.jmam.co.jp/hrm/column/0095-kanrishokuchousa.html
この調査は2025年2月に実施され、全国2万6815社を対象に有効回答数は1万835社(回答率40.4%)だった。詳細は帝国データバンクの公式リリースで確認できます。こちらは以下のリンクより参照できます。
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20250318-leadergap/