ジョブリターン制度(復職制度)とは育児や介護、配偶者の転勤などのやむを得ない理由で退職した従業員を再雇用する制度です。
会社が独自に決めているもので「再雇用制度」「キャリア・リターン制度」「カムバック制度」「出戻り採用」など色々な呼び名があります。
■ジョブリターン制度が注目される理由
労働力人口の減少、柔軟な働き方の拡大、兼業・副業や創業を支援する動きなど世の中様々な動きがあり人材確保はどこの企業も苦戦をしています。
その中で元社員を採用するということは理念や文化も知っており、基本的なスキルや知識を備えているため、採用のミスマッチを防ぎ即戦力として活躍を期待できます。
■ジョブリターン制度とアナムナイ制度の違いは何か?
どちらも元社員を採用するので一緒なのでは?と思いがちですが、ジョブリターン制度とアナムナイ制度は概念が異なります。
ジョブリターン制度:主に育児・介護といった私生活の事情による退職からの再雇用すること
アナムナイ制度:定年退職者を除いて転職や起業といった仕事上の事情により退職した人材の再雇用すること
アルムナイとは「卒業生・同窓生」という意味をもち、退職した人材とコミュニケーションを継続することで、再雇用の受け入れ体制を整えるのが一般的です。
■ジョブリターン制度のメリットは?
〇費用削減
新規採用を行うよりも費用の削減が出来ます。広告出稿費、人材紹介サービスの利用費そしてそれにかかる人件費なども抑えることが出来ます。
〇従業員への安心感
育児・介護、家族の転勤などライフステージが変わることは誰にでも起こります。いつ起こるかわかりませんが、もし一度退職をしてもまた復帰できるという安心感が生まれ、帰属意識も高まります。
〇スキル向上に期待
退職後に他社で働いた経験があれば社外の幅広い知見やスキルを自社に取り入れられるというメリットもあります。他社でしか経験出来ないことは多々あると思います。
■ジョブリターン制度のデメリット
〇安易な退職につながってしまうかも
「退職してもまた戻ってくればいいや」という安易な考えにつながるケースもあるかもしれません。そうなると考えが周りを含めてモチベーションの低下につながる可能性もあります。
〇既存社員の不満が出てくるかも
やむを得ない事情で退職したとはいえ、ブランクがある状態にもかかわらず既存社員と同等以上の好待遇で迎え入れれば、周囲に不満が生じる可能性があります。
一度退職した社員を復職させるのは、新規採用を行うのに比べて、待遇などの設定が難しい部分があります。
〇社内ルールや周知に労力がかかるかも
新しい制度を導入するときは何でもそうですが、ルール作りと社内周知に労力がかかります。制度の理解は出来たとしての細かなルールや調整点を知ってもらうには労力かかります。
■ まとめ
今回は「ジョブリターン制度」に特化をしてご説明しましたが、新しい制度を導入するにはルールを明確化する必要があります。
再雇用する条件を明確化すること、いくら元社員だからとは言え不採用となるケースもあるかと思います。
勤続年数・退職遺留・退職期間・在籍時の評価などを条件にするのが良いと思います。
また働きやすい環境や様々な雇用形態を用意することも重要です。
ルール作りは大変ですが、適切な導入が出来れば人材不足の解消につながる手法だと言えますのでぜひご検討下さい。