人事のみなさんは面接を担当される他部署の方々へ、しっかり面接対策をレクチャーされていることと思います。ここではあらためて、思わず悲鳴をあげてしまいそうな、7つのハラスメント行為を具体例とともに紹介します。

1.パワーハラスメント:「もう帰るのか?」
かつては「残業=やる気」と考えられていましたが、今では、非合理に残業を命じることや、残業を強制するなんて絶対NGです。休日も休まないことをアピールして長時間労働を美化したり、仕事最優先のスタンスを部下に強要したりするのもパワハラ。無意識にしてしまわないよう注意しましょう。

2.セクシャルハラスメント:「素敵な〇〇だね。」
同僚の外見に対する発言も「(褒めているのに)何が悪い」と許容されがちでした。もちろん、今では明確なセクハラです。相手の身体的特徴を性的関心の対象とし、ましてや「触れたい」などと口にするなんて言語道断。相手に強い不快感や恐怖心を与えます。

3.モラルハラスメント:「本当に使えない。」
どんな言葉も「愛のムチ」として正当化されていた上司の叱責。今、そんな上司がいたら、悪い意味で周囲の視線が集中すること間違いなしです。暴言や嫌がらせはもちろん、「使えない」「こんなこともできないの?」といった人格を否定する言葉や嫌味のほか、不機嫌な振る舞いも立派なモラハラです。「え?△△が趣味なの〜?気持ち悪い(笑)」などと、趣味を笑ったり、バカにしたりするような行為も”完全アウト”ですので、お気をつけて。

4.マタニティハラスメント:「妊娠?で、退職はいつ?」
今は妊娠や出産を事由に退職を迫ったり、解雇したりするのは、マタハラであり、不当解雇として違法行為となります。
表向きはおめでとうと祝福しながら、実際には妊娠した従業員を厄介者扱いし、心理的に追い詰めるなどの嫌がらせ行為もマタハラです。マタハラは、第三者の目の届かない環境で行われていることも多いため、組織全体での防止策が求められます。

5.パタニティハラスメント:「男のくせに育休?時短?」
通称「パタハラ」は、育児時短や育休を求める男性社員に対するハラスメント行為のこと。以前とは違い、現代社会では男性の育児参加を否定し、それを理由に不利益な扱いをするような行為はパタハラです。性別に関わらず育児に参加する権利が認められており、企業にはそれを支援する義務があります。

6.ジェンダーハラスメント:「女のくせに」「男のくせに」
今時言う方もいないと思いますが、現在は個人の能力・志向を重視する時代です。性別による仕事の振り分けは、時代遅れでありハラスメント行為ですので、心当たりがある方は、早急に改めましょう。

7.エイジハラスメント:「これだから、〇〇世代は…」
合理的な理由もなく、極端な解釈で年齢や年代を一括りにして相手を不快にさせたり、年齢を理由に揶揄するような言動をとったりするのはエイハラです。
そこで、ついやりがちな気をつけたいエイハラは、年下や若い社員を、ちゃん付けやニックネームで呼んでしまうこと。これらは、呼ばれた本人が不快に思っていなければOKですが、関係性によって「イヤ」とは言えないのがハラスメントです。絶対NGではないものの、しっかりと相手の性格や関係性を見極めたうえで呼ぶようにしましょう。

ハラスメントは、被害者の心身に深刻な影響を与えるだけでなく、職場全体の生産性低下や企業イメージの悪化にもつながります。昔はOKだった、なんて言い訳は、絶対に通用しません。社員のみなさんへ面接対策と共に、ハラスメントの基準を再度周知徹底されるのもよいのではないでしょうか。