エン・ジャパン株式会社は2024年7月11日、同社が運営する求人サイトのユーザーを対象に実施した「出戻り転職」に関するアンケートの結果を発表しました。調査期間は2024年5月29日~6月24日で、4,353件の有効回答を得ています。調査結果から、出戻り転職の“きっかけ”や“理由”、出戻り転職を検討する条件などが明らかになりました。
■出戻り転職の“きっかけ”は「在籍時の上司に誘われた」が最多
転職や独立などのために一度退職した会社に、一定期間ののちに再度転職することを「出戻り転職」といいます。企業側から見ると、自社の離職者を再雇用する「アルムナイ採用」であるが、人手不足社会における即戦力人材確保や人材マッチングの観点から、こうした出戻り転職は増加傾向にあるようです。では実際に転職を考えている人は、この「出戻り転職」についてどのように考えているのでしょうか。はじめにエン・ジャパンが、全回答者を対象に「一度退職した会社に“出戻り転職”したことはあるか?」と尋ねると、「ある」との回答は9%にとどまったとのこと。そこで、「出戻り転職したことがある」とした人に対し、「出戻り転職のきっかけ」を尋ねると、最多となったのは「在籍時の上司に誘われた」で35%となりました。以下は、「在籍時の社長・役員・人事に誘われた」および「自分から企業側に相談した」がともに24%、「在籍時の同僚・後輩に誘われた」が19%となっています。“出戻りのきっかけ”は、在籍時の上司や同僚からの誘いであることが多いようです。
■出戻り転職の“理由”は「即戦力として働けると思った」や「馴染みがあり、働きやすい」など
続いて、同回答者に対し「出戻り転職した理由」を尋ねています。すると、トップは「即戦力として働けると思った」(35%)、次いで「社員や風土に馴染みがあり、働きやすいと思った」(34%)となりました。また、年代別の結果を見ていくと、年代によるポイントの違いが最も大きかったのは「転職先で上手くいかなかった」で、20代の28%に対して40代は8%と、20ポイントの差が生まれています。
■6割以上が「出戻り転職したいと思わない」と回答
次に同社は、はじめの質問で「出戻り転職したことがない」とした人に対し、「出戻り転職したいと思うか?」と尋ねました。その結果、「思う」が13%(とても思う:3%、思う:10%)だった一方、「思わない」は61%(思わない:26%、まったく思わない:35%)と6割を超え、「出戻り転職」に消極的な人が多数派であることがわかりました。
■出戻り転職したい理由は「経験を生かして還元できそう」、「かつての同僚と働きたい」など
続いて、前質問で「出戻り転職したいと思う」とした人に対し、「出戻り転職したい理由」を尋ねています。すると、上位となったのは「経験を活かして元の会社に還元できそうだから」(32%)、「かつての部下や同僚がいて、一緒に働きたいから」(27%)、「家庭の都合などで退職したことに悔いがあるから」(25%)などの回答でした。また、年代別の結果を見ていくと、年代による違いが最も大きかったのは「かつての部下や同僚がいて、一緒に働きたいから」で、20代の39%に対して30代は23%と、16ポイントの差がありました。
■「給与・待遇」や「恩人からの誘い」が出戻り転職の後押しとなるも、“絶対にしない”も約3割に
最後に同社は、「出戻り転職したことがない」人に、「どんな条件・状況があれば、出戻り転職を検討するか?」と尋ねています。その結果、最多となったのは「給与・待遇等が保証されている」で、48%と約半数が回答しました。また、次いで「恩のあった社長や社員たちから誘われる」が30%となったほか、「どんな状況でも出戻り転職はしない」との回答も28%で上位回答となっています。“給与・待遇の保証”や“恩のあった人からの誘い”が出戻り転職を後押しするものの、「出戻り転職はしない」と決めている人も一定数いるようです。