DXという言葉、最近よく聞きますよね。
採用では「DX人材を採用する」というのがよく耳にする言葉かなと思います。
では採用分野でのDXとはなんのことか、採用DXとはなにか、について、今回はご説明をします。

■DXとは?

DXとは、デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略です。

経済産業省ではDXを次のように定義しています。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」
引用:経済産業省|デジタルガバナンス・コード2.0
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dgc/dgc2.pdf

つまりDXとは、データやデジタルを用いてビジネスのルールやプロセスに変革を起こし、競争力を強化することで売上や利益を向上させることを意味します。
そのためデジタルツールを導入することだけでは業務効率を行うだけで
本来のDXの意味まで含まれていません。

■採用DXとは?

では採用DXは…
採用活動にデジタルツールを取り入れたり、求職者や実績に関するデータを活用したりして、効率的な活動および優秀な人材確保につなげること、となります。
そして実は「採用DX」への取り組みは、
候補者体験(CX)(※A)と従業員体験(EX)(※B)を高めることが重要なのです。

※A候補者体験(CX):候補者が自社を認知してから選考終了までのすべての体験
※B従業員体験(EX):自社の従業員として働く期間におけるすべての体験

候補者体験(CX)と従業員体験(EX)が重要な理由は、両者を向上させることで、
候補者体験(CX)で候補者の視点で選ばれる企業になることと、
従業員体験(EX)を向上させることで入社後のミスマッチを減らし、満足度を上げることが採用強化に繋がるからです。

■候補者体験(CX)の向上とは?

候補者体験(CX)は、採用候補者が企業のことを知ってから選考を終了するまでのすべての体験を指します。
たとえば、説明会や面接をオンライン化したことで、参加ハードルが下がりエントリー数が増えた場合は、CX向上につながっているといえるでしょう。

■従業員体験(EX)の向上とは?

従業員体験(EX)は、従業員が業務を通して得られるすべての体験を指します。
従業員が「この会社でこの先も働こう」と思うことが出来るかだと思います。
たとえば、それは福利厚生だったり、休暇の取りやすさ、人事評価、社内の人間関係、業務内容だったり、いろいろな要因が含まれると思います。

■実際の採用DXはどんなことか

・WEB面接の導入
「面接はWEBで」というのが今は当たり前ですね。
数年前までは「直接会わないと判断できない」という意見もあり、
私も以前はそう思っていた時もありましたが、今はそんな思いは吹っ飛びました。
WEB面接で日程調整がしやすくなり、遠方の求職者も参加が出来たり、会議室予約の争奪戦をしなくてもよくなり、求職者も企業も双方にとって利便性が高まりました。

・採用管理システム(ATS)
採用管理システムを活用している会社も多いと思います。
候補者の情報管理、面接日程調整、進捗管理なども出来て、メッセージ機能やSNS連携により円滑なコミュニケーションが可能になりました。

・採用SNSの活用
今まではHPに求人掲載をすることがメインでしたがSNSを活用して企業文化などの発信が出来るようになりました。
「いいね」をもらってから、そこから会社を知るようになり面接に受けに来ている人もいるというお話も聞いています。

そう考えると採用DXはデジタルツールとして身近に活用しているのではないかと思います。
今までの考えがデジタルツールは業務効率化のためでしたが、
それを採用DXの考えに改めると候補者体験(CX)の向上・従業員体験(EX)の向上を中心に検討をしていく必要があります。
採用DXは優秀な人材の獲得につながるだけではなく、自社のイメージアップなど企業ブランディングとしても好影響をもたらします。オンライン化が普及した今だからこそ積極的に取り組んでいきたいですね。