株式会社ビズリーチは2024年1月16日、「2023・求人検索キーワードトップ30」の調査結果を発表しました。調査期間は2023年1月~12月で、同社のサービスを利用している年収750万円以上の求職者が求人を検索する際に使用したキーワードを算出し、30位までのランキングで示しています。本調査から、転職ニーズの高い職種や業界、求職者の関心や企業選びの傾向などが明らかとなりました。
■1位に「副業」、2位に「フルリモート」と新しい働き方が上位。
若手は「外資・商社・コンサル」に興味
2023年は、コロナ禍が収束を迎え、徐々に経済活動が活発化した年です。そのような中、ハイクラスのビジネスパーソンは、どのようなキーワードで求人検索を行っていたのでしょうか。
はじめにビズリーチは、「2023・求人検索キーワードトップ30」(※1)をまとめております。
この調査は、ビジネスパーソンがどのようなキーワードで求人検索しているかを調べ、転職ニーズの高い職種や業界、求職者の関心や企業選びの特徴・傾向を捉えることを目的としています。
同社がランキングとともに読み取れる傾向をまとめた結果、1位が「副業」、2位が「フルリモート」と、上位に新しい働き方に関するキーワードがランクインしました。コロナ禍を経て、新しい働き方が人気を集めているように見受けられますね。
また、7位は「外資」、12位は「外資系」、8位は「商社」、10位は「総合商社」、19位は「コンサル」となりました。高年収のイメージがあるワードは、毎年上位にランクインする傾向があるということです。
2023年に特に躍進したワードは、8位の「商社」(前年20位)、10位の「総合商社」(前年21位)で、商社に関連するキーワードでした。商社が中途採用を強化していることを背景に求人を検索する人が増加したと推測されますが、特徴的なのは、20代から30代と若手層の検索が7割以上を占めている点です。また「コンサル」も前年の37位から大幅に順位を伸ばしました。DX需要の増加を背景に、ITコンサルティング企業が積極的な中途採用を行っていることによる求人の増加が影響しているとうかがえます。
ほかにも、6位に「大学」、14位に「教育」、21位に「農業」、28位に「医療」が入っております。この4つのキーワードには、検索したビジネスパーソンのうち6~7割が40代以上という共通の特徴が見られますね。さまざまな経験を積んだビジネスパーソンは、社会貢献志向を背景とした教育機関を通じた若い世代への還元や、社会貢献性の高い一次産業や医療などに興味・関心を持っているようです。
そのほか、9位に「不動産」、22位に「自動車」、24位に「銀行」、26位に「食品」がランクインしました。これらのワードは、その業界に属している会員による検索傾向が強く見られたことから、業界内における人材の流動性が高まっていると推測できます。
さらに、ランキング外ではあるものの、2023年らしい動きとして「半導体」が34位に入り、前年59位から大きく順位を上げました。次世代半導体の国産化を目指す法人の動きや、世界最大の半導体製造会社による新工場建設など半導体に関するニュースが多かったことを背景に、職種を問わず検索されたようです。
■コロナ禍の収束で“海外志向”が復活か。海外求人数も3年前に比べ約2.6倍に伸長
ランキングの4位が「海外」、17位が「駐在」、5位が「英語」、27位が「中国語」となり、語学に関するキーワードが30位内に複数ランクインしました。語学に関するキーワードは毎年安定して上位にランクインしており、語学力を活かせる求人については継続して検索される傾向があるようです。また「海外勤務」が前年より大幅にランクアップするなど、海外勤務に対する関心が、コロナ禍前と変わらない水準まで戻ってきています。
あわせて、同社は「海外求人の推移(2020年~2023年)」を調べました。
すると、勤務地が海外となる海外求人は年々増加傾向で、政府の「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言」が初めて出た2020年と比べて、2023年の海外求人数は約2.6倍に伸長しました。求職者の海外志向が高いだけでなく、企業側の海外採用のニーズが高いこともわかりました。
ハイクラス人材の求人検索結果から、2023年は海外関連求人への関心が復活したことがわかりました。
また、20代・30代の若手層を中心に、外資系企業や商社、コンサルティング関連の求人への関心が高まっているようです。本調査から明らかとなった求職者の転職ニーズや企業選びの傾向を基に、自社の採用計画を検討してみてはいかがでしょう。