昨今、企業理念の実現やさらなる発展のためにカルチャーフィットを重要視する傾向が見受けられます。
そこで今回はカルチャーフィットの重要性について、あらためて考えてみたいと思います。

■カルチャーフィットとは
ビジネスにおいてよく使用されるカルチャーフィットの意味は「企業文化や企業理念と個人の価値観のマッチ」です。
企業文化や企業理念には将来的に企業が実現したいと目指す目標が含まれていることが多いです。
そのため企業の中にカルチャーフィットしている社員が多ければ多いほど、目指すべき対象が合致しているため生産的に仕事をこなすことができます。
採用活動において、カルチャーフィットしているかを条件に人材を判断することが重要になってきています。

■カルチャーフィットの重要性
カルチャーフィットを企業内で重視することには様々なポイントがあります。
最も大きなポイントの1つに内定者や社員の早期離職防止があります。
カルチャーフィットが社員に浸透している場合、社員は会社全体での目標達成を目指し勤務することができるため、会社への貢献心や所属感を強く感じることができます。
結果的に会社内での雰囲気や価値観が自身とうまくかみ合わなかったという理由による辞職を防ぐことができます。
長期的には会社の生産力が大幅に上昇し、より良い雰囲気作りをすることにも繋がるでしょう。

■過度のカルチャーフィットに要注意
カルチャーフィットに忠実なコミュニティ作りには、メリットがたくさんあります。
ですが過度のカルチャーフィットにはデメリットもあります。
それは同じコミュニティに属している社員の多様性が失われてしまうことです。
カルチャーフィットしていることだけを条件に人材を採用すると、性格や思考が似ている人が多く集まる可能性が高いです。そのため同じ考えを持っている人同士では、新たなアイデアが生まれてきにくいため、議論も起こりにくい環境となってしまいます。
バラエティに富んだ意見によって制作を策定したい会社にとっては過度のカルチャーフィットに要注意です。
これまでの風土や文化を大切にしつつ、新たなアイデアや考えを積極的に取り入れ、バランスの良い雰囲気づくりを心がけていけると良いのではないしょうか。

■不採用(カルチャーフィット切り)にすべき人物像とは
「カルチャーフィット切り」とは企業にカルチャーフィットしていない人材を採用面接の際に不採用にするということです。
不採用にすべき人物像は、社内での一体感を崩す可能性のある人物です。
カルチャーフィットを理由に採用する場合には、社内の一体感を高めるために採用することが多いです。
そのため、一体感を崩し得る人物を採用してしまうと本末転倒です。
そのため求職者がどのような考えと性格を持ち合わせているかを面接にて把握しておくことが必要です。

■中途採用では”カルチャーフィットしているか”が特に重要
カルチャーフィットを条件に採用することが多いのは中途採用です。
中途採用は、新卒で入社した人が何らかの事情により転職してくる人材がほとんどであるため、以前の会社とのカルチャーフィットが出来ていなかった場合が多いです。
そのため新卒人材の選定よりも中途採用の際にカルチャーフィットに力を入れることをおすすめします。
以前の会社と上手く付き合うことができなかった人材が新たに入社する会社においてもフィットできないということは珍しくありません。

■カルチャーフィットとスキルフィットの違い
カルチャーフィットとよくセットで耳にするのがスキルフィットです。
スキルフィットは英語における”能力の適合”という意味の通り、求職者の持ち合わせているスキルが企業が必要としているのものと適合しているかどうかという意味です。
スキルフィットにおいても、企業に即戦力として加わることができるかを確かめるためにスキルを測るため、中途採用にて用いられることが多いです。

■スキルフィットの方が重要
中途採用においてはカルチャーフィットよりもスキルフィットの方が重要な項目であると位置づけることが多いです。
数値的にはカルチャーフィット:スキルフィット=3:7と定めることが一般的です。なぜなら中途採用では既にスキルを獲得し、直ぐに活躍することのできる人材を採用する必要があるからです。
転職をしている人材は自身のキャリア形成のために様々な企業を転々とします。
そのため即戦力となる人材を獲得できなければ、また新たに辞職をする人が生まれてきてしまう可能性があります。

■まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は採用活動におけるカルチャーフィットの重要性とどのような人物をカルチャーフィット選定で採用すべきかについて紹介しました。
皆さんの採用活動にお役立ていただければ幸いです。