既に多くの採用担当のみなさんも活用されているスカウトメール。
自社にとって、本当に欲しい人材へ直接アプローチをするには、効果的な手法ですね。でも、みなさんに掛かる業務負荷は甚大です。
もちろん採用活動では、優秀な人材を獲得するための手段は、他にも数多くあります。「転職サイトへ掲載する」「人材紹介会社に依頼する」といった手法も変わらず有効ですが、今回は、このスカウトメールを使って、効率よく候補者を集めるコツをご紹介します。
魅力的なスカウトメールを作成するには4つのポイントがあり、そのどれもおろそかにしてしまってはいけません。
今回は、多くの企業からスカウトメールを受け取っているような優秀な人材が、思わず開封し、返信したくなるようなスカウトメールの書き方をご紹介します。
1. 件名は「キャッチコピー」。30文字以内が鉄則!
スカウトメールは相手に開封してもらわなければ効果が発揮できません。
しかし、優秀な人材は多くのスカウトメールを受け取っているでしょうから、件名だけで読み飛ばしてしまうケースも多くあります。
件名は、相手の目に留まるかどうかを決める重要なキャッチコピーです。
25文字から30文字でまとめ、興味を引く内容にしましょう。
差別化を図るポイントの一つとして、候補者の経歴に記載のある、具体的な数値を盛り込むという手法があります。
たとえば「●●様の7年に及ぶ営業経験に相応しいポジションをご案内します(30文字)」など、職歴のなかで特に興味深い経歴を、経験年数や実績・成果などから具体的に数値を織り込んで記載します。
具体的なポジションや事業、会社概要はメール本文で説明するとして、あなたの経歴をしっかり見ていることを件名でアピールすることは、スカウトメールの開封率を高める有効な施策だといえます。
≪良い例≫
「【限定公開】 ●●社で、●●の経験を重ねてきた●●様へ」
※ 具体的な社名、業種・職種名を出すことで、興味を喚起させている
≪悪い例≫
「●●様の経歴を拝見しスカウトをお送りいたします」
※ 定型的な件名に見えてしまい、転職サイトからも来るような他のスカウトメールに埋もれる可能性が大きい
2. 本文では要件を簡潔に!
まず自分がどんな会社で、どういう立場にいる人間なのかを伝えます。
次に「今、どういうポジションを求めているのか」を簡潔に伝えましょう。
自社の強みや現状の課題なども大切な情報ですが、初めてスカウトされた企業から魅力を延々とアピールされても、読んでいる途中で離脱してしまうでしょう。自己紹介も同様なのでご注意ください。
≪良い例≫
はじめまして。
突然のお声掛け、失礼いたします。
私、株式会社●●の人事担当、●●と申します。
今回、ぜひ●●様に当社の●●職/統括マネージャーとして活躍していただきたいと思い、ご連絡させていただきました。当社は設立以来15年、右肩上がりで成長を続けてきたIT企業です。今後3年間で事業規模を倍増にすべくチャレンジを続けております……
※ 採用したいポジションや会社紹介をコンパクトにまとめてアピールしている
≪悪い例≫
はじめまして。
株式会社●● 人事担当の●●と申します。
当社は設立以来15年、右肩上がりで成長を続けてきたIT企業です。今後3年間で事業規模を倍増にすべく、ITのみならず、商業施設事業をはじめとする異業種にも積極的にチャレンジしています。おかげ様で業績は好調に推移しており、直近では120%成長を記録しました!こうした背景を受け、現在中途採用を積極的に推し進めています。
※ 自社アピールに多くの文字数が割かれる一方、募集内容について触れていない
3. 経歴と求人を結びつけて伝える
これまでの経歴をどんなふうに活かせる求人なのか、経歴と求人を結びつけて伝えることが重要です。
これが「あなたの経歴を拝見し、当社でその経験を生かせるのではと考えスカウトさせていただきました」という定型文になると、相手は急激に読む気が失せてしまいます。きちんと職務経歴書に目を通したことを感じさせつつ、その上で「あなたを必要としています」と伝えましょう。
ここでも具体的な数値や企業名、プロジェクト概要などが含まれていると、スカウトメールを受け取った側の心証は一気に良くなります。
≪良い例≫
●●様には、新たに立ち上がるアウトサイドセールス部門の統括マネージャーをお任せしたく存じます。
●●様のご経歴にあります、これまでに●●の商材を取り扱ってこられた営業経験、そして新拠点立ち上げの際に発揮されたリーダーシップを生かせるチャンスがあると考えております。
※ これまでの経歴と、募集しているポジションの親和性を伝えている
≪悪い例≫
●●様の経歴を拝見し、当社が求めているポジションに非常に合致したご経験を積まれている方であるとお見受けいたしました。ぜひ当社のアウトサイドセールス部門の統括マネージャーにチャレンジしていただきたく存じます。
※ 具体的にどんな経験・キャリアを生かせるのかについて記載がない
4. 将来像をイメージしてもらう
スカウトメールによくあるのが、単なる求人募集の紹介になってしまっているケース。どんな活躍に期待しているかも含めて、未来のビジョンまで提示することで、こちらの期待度もきちんとアピールすることができます。
「●●様のご経歴を生かして、まずは●●、ゆくゆくは●●といったキャリアを実現可能です」といったように、入社後、どんなキャリアを描いてほしいかも伝えましょう。
≪良い例≫
まずはリーダー、またはサブリーダーとしてのスタートとなりますが、積極的な事業拡大を目指している当社では、今後多くのポストが生まれると考えています。●●様の実績・成果に応じては、半年から1年後にはマネージャー職をお任せする可能性も十分にあると感じております。
※ 将来的なキャリアを明示することで、期待感を持たせることができている
≪悪い例≫
これから先、ますます拡大を続けていくであろう組織において、ぜひ●●様には当社のマネージャーとして活躍していただきたいと思います。私たちの会社を大きくしていくために、ぜひあなたのお力を貸していただけませんか。
※ 会社主体の文章で、スカウトメールを受け取る側のメリットが乏しく感じる
5.まとめ
魅力的なスカウトメールを構成する要素は非常にシンプルです。
しかし、ダイレクトリクルーティングでの採用活動が活発となり、大量のスカウトメールが氾濫している今、小さな工夫やこだわりが返信数や開封率に大きな違いを生むことになります。
ご自身でも様々な転職サイトに登録して、自分に届いたスカウトメールのなかで興味を引かれたもの、開封したくなったものを分析し考察してみるのも、優秀な人材を採用する一歩につながるかもしれません。