「面談」は、候補者の自然体や率直な思い等を垣間見ることができるため、近年増加傾向にある手法です。その中でも、カジュアル面談について、メリットや注意点などを説明していきます。

カジュアル面談とは、選考の前に応募者と自社の間で認識のずれがないかを確認するために行われる面談のことです。
「選考を始める前に、一度ざっくばらんに話しましょう」というラフなスタイルで行われますね。
応募者がお持ちのスキルや転職活動で実現したい事、やりたい事などを伺いながら、自社で求めている人物像などについて、お互いの情報交換や意見を伺っていきます。
もちろんカジュアル面談は、基本的に選考への影響はありません。まだ志望度が低い候補者の方々と、お互いのことをより知るための自己紹介と情報交換の場となります。

■カジュアル面談のメリット

・ミスマッチ防止
 カジュアル面談は、面接という選考段階では見えづらい、人となりを見いだせる可能性があります。
そのためにも、面談者の選定はポイントです。
当社が採用支援をさせて頂いた企業では、配属部署の責任者の方が、自ら実施して頂きました。候補者にとっても、いろいろなお話や懸念点がその場でクリアになって行きますので、実際の応募、選考への意欲が非常にスムーズにいくケースが多く見られました。
やはり最初に、しっかりお互いの視線が合うと、ミスマッチ防止にもつながりますね。

・自社でできることを伝える
 カジュアル面談では、自社の魅力をアピールし過ぎてはいけません。
あくまで、候補者の求めていることが、自社だったらどのように実現できるのかを具体的にお話しすることが望ましいです。
転職目的は、候補者により様々です。仕事内容、年収、職場環境など、候補者と自社の接点がどの程度あるのかを、お互いに見極めながら、応募意思を確認していきましょう。

■カジュアル面談を導入する際の注意点

・選考の雰囲気を作らない
 カジュアル面談で最も留意すべき点は、面接(選考)しているような雰囲気を作らないことです。
カジュアル面談は面接でないですが採用活動のひとつではあるため、候補者の情報や心持ちを少しでも多く聞いてみたいと思うのは当たり前ですね。
しかし、志望動機や転職理由のような面接時の質問を根掘り葉掘り聞いてしまうと、候補者にも緊迫感を与え、発言しにくくなってしまいます。
「フランクな会話で、候補者の本音を少しでも知ることができる事」がカジュアル面談のメリットであるため、思い込み過ぎず、リラックスできる雰囲気づくりに注力しましょう。

・一方的に話を聞き出すのではなく相互理解を重視する
 カジュアル面談は、相互理解や情報交換をするためのものです。
ゆえに、みなさんからの質問が中心ではなく、候補者の質問を喚起するような会話が必要になります。
カジュアル面談に応募する方には「会社の雰囲気や今後の事業展開など、掲載されていない情報を知りたい」など、まずは情報収集を目的としている人も多くいます。
候補者が自社に対して抱いている懸念点などをしっかり聞いて、積極的に情報提供するよう努めましょう。

・カジュアル面談で相手に聞くこと
 カジュアル面談は、候補者の仕事への取組み、考え方などを伺いながら、人となりを見極め、自社への志望意欲を高めてもらうための時間です。
もちろん応募前の面談ですので、自己PRや志望動機を聞く必要はありません。候補者の人となりが分かるような質問を心掛けましょう。
【質問例】
 ・やりたい仕事、やってみたい仕事
 ・一緒に働きたい人物像
 ・仕事へ求めるもの
 ・自分が今までに身に付けたもの
 ・自社への懸念点、気になっていること etc

■カジュアル面談の流れ

・アイスブレイク&自己紹介
 最初は、やはりアイスブレイクからですね。
お互いの知りたい情報を交換するために、自然体で会話しやすい雰囲気づくりは大切です。まさにカジュアル面談の良さをお互いに確かめ合えるスタートでもありますね。そこから、簡単な自己紹介という流れです。

・簡単な企業説明
 カジュアル面談では、自社も、まだまだ評価される立場です。ガッツリ詳しく会社や事業の説明は必要ありませんが、自社のアピールポイントは、端的にお話ししていきましょう。

・質疑応答
 選考のような雰囲気にならないように質疑応答を進めましょう。
候補者からの質問には誠意を持って答える。一方的にならないよう、候補者の反応も見ながら対応してください。もちろん回答できないような質問に対しては、その場で言及せず、後日連絡する旨を伝えましょう。

・次回への誘導
 現在の募集職種や募集期間また選考フロー等、応募以降の流れを説明しておくことも大切です。応募の意思確認や志望意欲をチェックする必要はなく、あくまで案内というスタンスに徹するようにしましょう。

・その後の対応
 カジュアル面談を終えた後は、すみやかに候補者に対してメールや電話でフォローしましょう。
面談のお礼、追加確認希望の有無、未回答の質問事項への回答など、丁寧に対応しましょう。特に、魅力的な候補者に対しては、自社の印象が薄れないよう定期的にコンタクトをとることも大切です。

■まとめ

カジュアル面談は、会社にとっても負荷がかかるものですが、お互いに理解を深めた上で選考に繋げられるメリットがあります。採用ミスマッチにお悩みの企業様は、導入を検討してみてはいかがでしょうか。